日立GST のハードディスクである HDT722525DLA380 (Deskstar T7K250(250GB / SATA3Gb/s / 7200rpm / キャッシュ8MB)を処分するため分解した。2005年10月製だから、約17年前の遺物だ。完動品で、中のデータは分解前に吸い出し済み。エラーなし。
当時はまだSATA用電源出力を持たない電源ユニットが多かったからか、見慣れた4端子がいる。そして、英語で「両方の電源を同時につないじゃ駄目よ♪」って書かれてる。
ケースのネジは全てトルクスネジの8番。ケース内部まで貫通するものは、ネジの上に透明なプラスチックが貼り付けられて気密を保っていた。
カバーを取ると、鏡のようなディスクと三角形のヘッド部、左下には強力な磁石、左上には吸湿剤?が姿を表した。
ヘッド部は白いパーツに収まることで先端のセンサーを保護し、また一番左下に見える白い長方形磁石に吸着することで、電源が切れている状態でもこのヘッド位置を保持するようになっていた。
ヘッド格納部を固定するシャーシ部は、組立時の都合からか、格納部パーツよりも大きな台となっていて、はみ出る部分までしっかりフライス加工されていた。通常の状態だとヘッドがディスクに干渉するため組付けができない。そのため、ヘッドを写真よりさらに手前に動かして組み付けていると思われる。そのためには高さ方向の位置決めが必要なので、台は手前方向に長いものと思われる。
カバーはゴム状のパッキンで風刺する構造。このままだと気圧が低いときにケースが膨らんだりしてしまうためか、通気用のフィルタが左下に居た。
通気フィルタの表側は細い通路となっていて通気量を制限しているように見えた。裏側は不織布でフィルタ。内部には黒い活性炭のような塊が入っていて、これで微粒子を吸着しているように見えた。
InfenionのUAB-M3059-HTはおそらくDSPで、SATAインターフェースも担当。コネクタへと線が伸びているし。
上の方にいる8ピンICはPMCの25LV512E。512kbitのフラッシュメモリである。
左端にいる0A30502はモータードライバの模様。
右端にいる8ピンのはS93C76で8kbitのEEPROM。
裏面にいるでっかいのは今は亡きエルピーダの8MB SDRAMであるS6416AHTA-6BEH。
右の方にある端子群は、HDD内部へのコネクタと接触する部分。
シャーシに話を戻して、アクチュエータを駆動する磁石2個のうち上部をはずした。きれいなコイルが見える。
アクチュエータにはディスク2枚の表裏に読み書きするためのデバイスが4個ついていた。また、基部にはドライバ・アンプっぽい半導体がついていた。TI 1970R6 505149004と刻印されていた。
アクチュエータの側面にはイモネジがついており、これを外すと軸がすっぽぬけた。とても気持ちよく回る軸である。良いベアリングが使われているようだ。なお、イモネジはトルクスネジの6番だった。
次にディスクを外す。ディスクはトルクスネジ6番で固定されていた。
ディスクとディスクの間にはスペーサーがいた。黒いプラスチック部品は用途不明。なんのためにあるんだろう?
ヘッド駆動用磁石は非常に強力なので、何かと重宝する。ただ、本当に強力なためうっかり指を挟むと物凄く痛い。
シャーシからモータを外した。モータはおそらくDCブラシレスモータ。こちらは分解できなかった。
シャーシにはもう部品は無し。これにて分解終了。