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米国の貿易赤字:日本はアメリカからモノを買っていないのか

トランプ大統領が、日本に対する貿易赤字でお怒りのようです。調べてみると、例えば2015年度は日本→アメリカ輸出額:15.1兆円に対し、アメリカ→日本輸出額:7.9兆円と、アメリカは7.2兆円の赤字を出していました。もっとも、これはiTunesや特許料等のアメリカが得意とするサービス収支が抜けているので、実際には赤字額はもっと小さいはずですが、それはさておき。

トランプ大統領は、日本にもっとアメリカ製品を買え!と主張していますが、この主張は正当なのでしょうか?たしかに、アメリカには日本製品が多数ありました(過去形)が、日本にも米国製品が多数あるような気がします。そこで、相手国の製品を国民一人あたりいくら買っているか単純計算してみました。

結論から言うと・・・日本人は、アメリカ人よりも相手国の製品を買っているようです。国力の差を勘案すると、現状でも妥当ではないでしょうか。

以下、詳細です。使用するデータはすべて2015年度のものにしました。

まず、貿易額ですが、これは前述の通り。データは「米国経済と日米経済関係(平成29年3月)(PDF)」(外務省)の最終ページから持ってきました。

  • 日本→アメリカ:15.1兆円
  • アメリカ→日本:7.9兆円

次に、人口です。データは国連World Population 2015から持ってきました。

  • 日本:1.27億人
  • アメリカ:3.22億人

さて、これらのデータを元に、各国民が相手国から一人あたりいくら輸入しているか計算します。結果は以下の通り。

  • 日本人:一人あたり、アメリカから6万2200円購入
  • アメリカ人:一人あたり、日本から4万6900円購入

このように、単純計算だと日本人のほうがアメリカ人より相手国から沢山買っているという結果になりました。

なおこの計算は、互いに原材料の貿易が無いことを前提にしていますが、実際には部品のやり取りがあるためこの通りにはなりません。また、互いに同じくらい魅力的な製品を、同種類ずつ製造できることも前提としています。実際には人口が少ないほど製品ラインアップが減り、同種類というのは困難になります。とはいえ、人口が1億人以上もあると、これによる差は小さそうです。

以上を勘案すると、日本人もアメリカ人も、互いの国力に応じた額の取引をしているのではないでしょうか。