CORSAIRのDDR4メモリボード VENGEANCE LPX CMK16GX4M2D3600C18が極稀にメモリデータ化けを起こすようになったので廃棄前に分解してみた。このメモリの特徴は以下の通りである。
- 高速(3600Mhz)
- ヒートシンク有り
- 高速メモリに有りがちな余計な装飾が少なく、高さが低いため大型CPUクーラーと干渉しにくい
特に「高さが低い」という特徴は他に無く、この壊れたメモリの代替もVENGAEANCEシリーズとなった。
それはさておき、分解である。まずは構造を確認。真横から見ると、メモリICとヒートシンクの間になにやら厚めの材料、シール兼充填剤が見える。
さっそくヒートシンクを剥がしてみる。メモリは基板の片面(表とする)だけに計8個載っていた。ヒートシンクを基板に固定するスポンジ状のシールは、表用と裏用で色が異なっていた。ヒートシンクの一端を熱湯に突っ込むことで熱伝導性を調べてみたところ、表用のシールはスポンジ状のわりに熱伝導性が良かったが、裏用のシールはいまいちだった。見た目通り、材料が違うのだろう。
メモリにはPS020 -075E F 1922との刻印があった。
そしてこのロゴは・・・Micronの子会社であるSpecTekだ。Micronの不合格品を扱ってるという噂があった気がする。
さて、このチップの正体を調べてみる。SpecTekの場合、一番上の段にあるMark Codeを使って、SpecTekのサイトより型番を調べることができる。CMK16GX4M2D3600C18のMark CodeはPS020なので、型番はPRN1G8Z11BD8SAだ。
SpecTekにあるDDR4 8Gbitチップの仕様書からこいつは
- 78-ball FBGA package
- 128 Meg x 8 x 8 Banks
- SpecTek マークつき; 8 chip only, 完全テスト済み
- 0.750ns @ CL = 18 (DDR4-2666) (マーキング:075Eより)
- 8K Grade A ~98-100% (等級を表すようだが詳細分からず)
ということが分かった。
基板の裏面には黒いスポンジが貼られていた。裏面にはDRAMのICが無くこのままではヒートシンク(裏)を取り付けることができないため、スペーサーとして機能しているのだろう。ただ、残念ながらこのスポンジの熱伝導率は壊滅的に悪いようで、裏面からの放熱は絶望的と思われる。無いほうが良いんじゃないかな、裏面ヒートシンク。
ところで今頃気づいたけど、メモリモジュールの端子部分って直線じゃないのね。
以上。